[Abstract of Chap 3]. 測定理論 (= 量子言語 )は次のように定式化される: \[ \underset{\mbox{ (=量子言語)}}{\fbox{純粋測定理論 (A)}} := \underbrace{ \underset{\mbox{ (\(\S\)2.7)}}{ \overset{ [\mbox{ (純粋) 言語ルール1}] }{\fbox{純粋測定}} } \quad + \quad \underset{\mbox{ ( \(\S \)10.3)}}{ \overset{ [{\mbox{ 言語ルール2}}] }{\fbox{因果関係}} } }_{\mbox{ 一種の呪文 (アプリオリな総合判断)}} + \underbrace{ \underset{\mbox{ (\(\S\)3.1) }} { \overset{ {}}{\fbox{言語的解釈}} } }_{\mbox{ 呪文の使い方のマニュアル}} \] 前章(= Chap. 2)では, 言語ルール1(測定: $\S$2.7)を紹介した。 本章では、 言語ルール1と2の使い方のマニュアルである"言語的解釈(= 言語的コペンハーゲン解釈 )" を説明する。
測定理論(=量子言語)の主張は

(A): (言語的解釈というマニュアルに従って)すべての現象を量子言語 ( 言語ルール1と2)で記述せよ!
である。 マニュアルなので、書けば切りがないが、 一つだけ書くならば、
  • 測定は一回だけ
で、言語的解釈は意外とシンプルである。




$\S$1.1で述べたように, 我々の目的は次図を主張することである:
  • 世界記述史の中での量子言語の位置
上図(特に, ⑦--⑨)から、量子言語は次の3つの特徴をもつと言える: $$ \left\{\begin{array}{l} \mbox{ ⑦ :量子力学の標準解釈} \\ \mbox{ $\qquad$ (i.e.,コペンハーゲン解釈の真の姿) } \\ \\ \mbox{ ⑧ : 二元論的観念論 (デカルト=カント哲学)の終着点 } \\ \\ \mbox{ ⑨ : 未来の理論統計学 } \end{array}\right. $$


補足: あと数十年後の2050年には、 大抵の分野において、「コンピュータの知能」が「人間の知能」を抜くと言われている。 2050年問題 である。 そのときまでに、人間の尊厳・名誉、または、自己満足のためにも、 「(コンピュータより先に)人間が達成しておきたいこと」 は、 そんなに多くがあるわけではない。 たとえば、著者は次の2つはそうあって欲しいと考えている。
($\sharp_1$): 数学のリーマン予想の解決
($\sharp_2$): 上の「世界記述史の図式」の完成
である。 将来のいつかに、 宇宙人とコミュニケーションがとれる日がくるだろう。 そのときに、その宇宙人に、

  • 「なんだ、人間は上の($\sharp_1$),($\sharp_2$)程度のことも自分の頭で考え付かなかったんだ」

と思われるのはシャクなので、2500年までに解決しておきたい。